ネバダ州、ラスベガス。
輝かしい舞台でたくさんのスポットライトの中、二人の戦士が対峙した。
台湾のSHENYAOと中国のWHIRLKICKにとってこのフィーチャーマッチの舞台は喜ばしいことだろうが、本来自分がいるべき場所ではないとも思っているだろう。
思い描いていた未来予想図は、WINNERSだったに違いない。そして今ここは、敗北すれば即終了のLOSERSなのだ。
負けてしまえば終わり。残酷なダブルエリミネーションというシステムが、二人にのしかかる。
重圧とまばゆい光を浴びて、二人の戦士がフィーチャーマッチで火花を散らす。
GAME 1
SHENYAO使用パーティ・バトルメンバー
WHIRLKICK使用パーティ・バトルメンバー
SHENYAOのファミリータイプとWHIRLKICKのリジェネレーションズタイプが相対するGAME 1。高い火力を誇るファミリータイプにやや軍配が上がるとされているが、果たして。
攻めるのはやはりファミリータイプ。悟天が見事なコンボでザマスの体力を半分まで削り、麻痺を見ると瞬時に打撃アーツで追撃を掛ける。この素晴らしい反射神経がなせる見事な連携技の前に、たまらずWHIRLKICKはセルの救出を使用する。
だが先に主導権を握りにかかったのはWHIRLKICKだ。悟空の射撃アーツの上からセルが必殺アーツをかぶせ、この一撃によってSHENYAOの悟空をK.O.とする。射撃アーツを読み切った見事なプレイ。
頭数が減ってしまったSHENYAOだが、プレイは至って落ち着いていた。メインアビリティを使用した悟飯と悟天でザマスを徐々に追い詰めていく。
コンボがつながらなくなったところでSHENYAOはあえて通常攻撃を挟み、これを回避させると、この隙を突いて究極アーツを放つという頭脳プレイを見せるのだが、WHIRLKICKのギリギリの回避が間に合う。

そして、SHENYAOの攻撃はここにきてようやく成就する。WHIRLKICKがバニシングゲージを消費したタイミングを見逃さず、悟天でライジングラッシュを叩き込んだのだ!
これで体力が満タンだったスラッグを一撃K.O.で戦場から退け、やや不利ながらも2対2とする。
勢いづくSHENYAOはプレイも冴えていく。上手い回避で敵との距離を詰めると、ザマスの踏ん張りを無効にする悟天の究極アーツを放ち、これで形勢逆転。
この悟天こそセルによってK.O.となってしまうがしかし、残った悟飯とセルでは相性差は歴然。
まずは貴重な勝ち星をSHENYAOにもたらしたのだった。
GAME 2
SHENYAO使用パーティ・バトルメンバー
WHIRLKICK使用パーティ・バトルメンバー
ファミリータイプによるミラーマッチ。選出までもが全く同じで、プレイヤースキルが問われる戦いとなった。
攻撃的なパーティタイプ同士の戦いらしく、ゲームの序盤は回避と交代を互いが繰り返す展開。主導権を渡さんとばかりに、熱い攻防が続く。
ゲームを動かしに行ったのはWHIRLKICK。体力の減ってきた悟空をあえて交代せずに、そのまま出し続ける。これはK.O.されることで残ったキャラクターを強化する狙いだ。もちろんそれを理解した上で、SHENYAOはこの悟空をK.O.する。

これにより強化が入ったWHIRLKICKの猛攻が始まるかと思われたが、むしろスイッチが入ったのはSHENYAOだった。WHIRLKICKの攻撃は完璧に回避しながら、逆にこちらの攻撃はすべて的確にヒットさせていく。
回避からのキャラチェンジ、即回避など、テクニックを駆使しながらWHIRLKICKの攻撃をすべて避けていくSHENYAO。その間に蓄積するのは、WHIRLKICKのキャラへのダメージだ。
結局、SHENYAOはWHIRLKICKに反撃するチャンスを与えることなく、パーフェクトなプレイでフィーチャーマッチを見事勝利したのだった。
SHENYAO Win!
WHIRLKICK「しかたないですね」
勝負を終えた戦士が、漏らす。
SHENYAO「勝てて気分は良くなりました。ありがとう」
戦いが続く戦士は、気持ちを高ぶらせた。